カテゴリ:食ナ本( 4 )   

食べて出す   

妹尾河童さんを御存知でしょうか?
「少年H」の著者と言えばわかるかな?

彼の著書に「河童が覗いたシリーズ」ってのがあります。

「河童の覗いたヨーロッパ」
「河童の覗いたインド」
「河童の覗いニッポン」
「河童の覗いた仕事師12人」
etc

これまたどれを読んでも面白い!
河童さんは、大人の洞察力に子供の好奇心を兼ね備えているような方。
だから、見るものずべてが特別な物に見えてきます☆
河童さんのフィルターを通すと、
「普通」は無いのです。はい。

このシリーズの中で最も好きなのが

「河童が覗いたトイレまんだら」

これ、最高です。
各界で活躍する有名人52人のお宅を訪問し、
トイレについての想いをインタビューして、載せたもの。
「トイレ」と言うと、普通なら隠したい所。
しかし、そこを敢えて語り合う事で、各人のトイレ事情はもちろん
その人の人生がみえちゃったりみえなかったり。。。。

そして、得意の河童流俯瞰図ももちろん掲載しています!
52人のトイレ(を上から見た図)を私たちも覗く事が出来て、かなり面白い。。。



食べる事には執着するけど、
出る時の事は考えないっていう人、多いよね。

食べる為に生きるのではなく、
生きるために食べなければいけない。

(って誰の言葉だっけ?(^^;)

「食べるから、しかたなく排泄をする」
という付属品の様な考え方じゃなくて、
食べてから排泄するまでを一連の流れで考える。

よい食べ方をしないと、
よい排泄には繋がらない。

そういう当たり前のことを再確認できる本でした☆
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by syokuseikatsu | 2005-02-24 01:53 | 食ナ本

伊豆の美食家   

「肝臓先生」 坂口安吾

流行性肝炎を患う伊豆の人々。
診る人診る人、肝炎である。
そして、町の人からつけられたあだ名が「肝臓先生」
肝臓先生は、その謎を解明する為に、日夜翻弄する。
驚いた事に、肝炎を患っているのは、日本国全体のことであることを突き止めるのだが・・・
肝臓先生の想い、その行きつく先は、、、、

では、本題。食の角度から見てみることにしまーす!
肝臓先生の人生も、また魅力的ですが、
後は本を読むなり、映画を見るなりして下さい☆

 
冒頭、伊豆の漁師の描写があるのですが、抜き出してみると・・・


「海水でといだ御飯が陸上のそれとくらべものにならないほど美味であること・・・
釣りたての生きた魚には・・・かみしめる内に甘さがこもり、
人にたべてもろうための心尽くしの数々がこもっている事を知って満足するのである。
彼らは帝国ホテルのフランス料理にあこがれない。
彼らの日常の食事が、それよりも豊富な妙味に溢れていることを
発見し、確認しているからである。」

「彼らほどガンメイ固陋な美食家はいないのだ。いわし鯨がイワシだけを追っかけ、
甚平ザメがマグロを専門に食うのと同じようなものだ。一言で云えば、彼らは、
どこまでも、利巧で、温和で、心の正しい魚にほかならないのである。」


う~~ん、美味い。
いや、上手い。
また、こんな表現もある。


「漁師というものは、実にあたたかくて、親切なものだ。
・・・・挨拶は全然やらない。・・・ゼンゼン喋らないのである。
どんな親しい間柄でも、黙って往来する。頭も下げない。
彼らは魚に同化し、ムダな事は喋らなくなっているらしい。
魚が挨拶したら、おかしなものだ。・・・・」

「彼らはただガムシャラに魚を追う。
ひねもす、魚を追う。
それが彼らの一生だ。」


要するに、魚たちが「魚族」であるように、漁師は「人間族」であるだけのことらしい。

・・・・だから?(--;
そう、このままでは、「肝臓先生」に繋がらない。

彼らがガンメイ固陋の美食家であり、人間族である事は、
つまり偏食であることを意味する。
漁師町でも沢山の医薬が必要となる。

よって、この肝臓先生が伊豆の漁師町で一躍人気者になる訳なのだが、、、、
後は読んでからのお楽しみ。
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by syokuseikatsu | 2005-02-14 10:40 | 食ナ本

文人は何を食っていたのか?   

「文人悪食」 嵐山光太郎 新潮文庫 平成12年

文豪・文士と呼ばれる方々総勢37名の食癖、ここに集結!!

解説は非常に困難。
背表紙の解説を載せます。

【「何か食いたい」臨終の漱石は訴え、葡萄酒一匙を口に亡くなった。
鴎外は御飯に饅頭を乗せ、煎茶をかけて食べるのが好きだった。
鏡花は病的に潔癖症で大根おろしも煮て食べたし、
谷崎は鰻や天ぷらなど、こってりした食事を愉しんだ。
そして、中也は酒を食らって狂暴になり、誰彼構わず絡んでいた。
37人の文士の食卓にそれぞれ物語があり、
それは作品そのものと深く結びついている。】

さすが解説!!まさに!って感じ。

誰にでも食癖はある。
そして、大抵の場合、自分は普通だと思っている。(私も然り)

嵐山さんは、文士の食癖に関する資料を、
集めに集めた。(本当にすごいと思う)
様々な人に話を聞き、
様々な文献から、拾い集めた情報を整理してみると・・・

いや、この食べ方オカシイって!!!の連続。

浮かび上がる文士の人物像と共に、
食生活や食癖がいかにその作品と深く関わっているかとういう事に気づかされる。


読書をする際には、是非、この「文人悪食」を片手にどうぞ☆
作品をより愛するようになることでしょう。。。
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by syokuseikatsu | 2005-02-03 17:27 | 食ナ本

れもん と みかん と ざ・く・ろ   

ここでは食にまつわる本を紹介。

勉強になったり、ためになったりはもちろんのこと、笑いあり涙ありの、食生活研究会の愛すべき推薦本たち。
そんな訳あり ‘心に残る食本’ 第一回目は、私の大好きな短編小説から。
  
       ~果物編~
    れもん と みかん と ざくろ です。
   ☆「檸檬」  梶井基次郎    ―「檸檬」に収録。
   ☆「蜜柑」  芥川龍之介    ―「蜘蛛の糸・杜氏春」に収録。
   ☆「ざくろ」  川端康成      ―「掌の小説」に収録

とにかくみずみずしい、の一言に尽きます。
果肉の一粒一粒が、それらの細胞達が、躍動感に満ち溢れまるでひとつの「生命」なのです。
たかが果物、されど果物。
この文豪たちが、今、私達の身のまわりに溢れる多くの食材となんら変わらぬ食材を、彼ら
の時代に眺め、思いにふけり、描いたのがこれらの世界。
それはこの果物たちのように、やはり甘美で、少々酸っぱい。
けれどそこに、永遠の「美」を見ている。

・・・なぁんて、私はそう思いました。
この作品を読むと、これらの果物が、私達を取り囲む食材たちが、また違った視点から見られるのかもしれません。
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by syokuseikatsu | 2005-02-01 03:25 | 食ナ本